2022年12月第4週限月の振り返り ~兎にも角にも日銀ショックにしてやられたの巻~

振り返り

今週の振り返りを書く際に、先週の投稿を見直した。
サブタイトルの「ビックイベントを2つこなして取り敢えず生き残った」見て、よもやビックイベントをこなした後に、日銀ショックの様な隠れイベントが起こるなんて、一週間前には思わなかった。

この事に関する私見は最後に述べるとして、今週を振り返ってみたい。

12/16 金曜日 ~前週の仕込み~

先週金曜日の12/16の日経平均は、27527円12銭で引けたが、夜間取引ではジワジワと下落していた。
欧米市場の下落に多少は引っ張られるものの、27,000円前半では反発して上昇していた為、先週金曜日の夜間取引において27,300円台になった時点で、今週の仕込みを行った。

 22-12-4W P 26,375 33円 1枚

そう。このポジションが今週の日銀ショックによって危うい立場になるとはこの時は思いもよらず・・・

12/19 月曜日 ~クレジットスプレッドを仕込む~

この日、先週の流れを受けて一段下がった日経平均だったが、27,200円台をうろつく展開だった。

今週は大きなマーケットイベントが無いし、このまま揉み合いが続いている間に、オプションプレミアムが剥がれ落ちたら勿体ないことになると思い、「プット売」を仕込む事を考えた。 ただ、下落のリスクもあるため、クレジットスプレッドで仕込んだ。

 ② 22-12-4W P 26,875 100円 1枚
 ③ 22-12-4W P 26,750 78円 1枚

12/20 火曜日 ~そして日銀ショックが舞い降りる~

日銀政策金利決定会議が発表される日だとはわかっていたが、市場では「金融緩和継続」と考えていたため、株価に影響は与えないものと楽観視していた。 ところが、予想に反して実質的な利上げに近い発表をしたことにより、日経平均は瞬間的に1000円をも超える下落に見舞われた。

前日仕込んだクレジットスプレッド(②③)を突き破る勢いだった。 ロールダウンする時間すら無いぐらいの急落だったので、このクレジットスプレッドは取り敢えず放置した。

そして、この下落に乗じて、

 ④ 22-12-4W P 25,875 売 65円 1枚

を仕込んだ。

「① P 26,375売」のポジションについては、反発もあるかと思いキープした。

実際の日銀ショックが起こった様子は、12/20の投稿を参照のこと。

12/21 水曜日 ~日銀ショックの余韻は続く~

前日に急落したため、この日は反発するかと思ったが、そのままズルズルと下落する展開に。

前日手仕舞わずに我慢していた「① P 26,375売」だが、ロールダウンすることに。

 ① 22-12-4W P 26,375 売 33円 1枚 
  → 210円で手仕舞い (-177,000円の損失
 ⑤ 22-12-4W P 26,250 売 135円 1枚

夜間取引において、相場下落の懸念と損失の圧縮を目的に、
 ⑤ 22-12-4W P 26,250 売 
  → P 26,125 売 にロールダウン
 ④ 22-12-4W P 25,875 売 
  → P 26,125 売 にロールアップ
を考えたが、タイミングを逃してしまい、

 ⑥ 22-12-4W P 26,250 売 85円 x 2枚

となった。

12/22 木曜日 ~何も出来ず取引終了~

前日の米国市場は、大幅反発となったため、いよいよ日経平均も反発するか?!と思ったが、僅かな反発で終わってしまった。
これも、日銀ショックの影響かと思われる。

この日、仕事の都合であまり相場を見ることが出来ず。 日経平均は、少しは上昇したことも有り、前日のポジションそのままで、勝負することにした。

12/23 金曜日 ~ Weekly SQ日 ~

前日の決断を後悔することになる。 米国市場の上昇には追随しなかった日経平均だが、米国市場の下落には、即座に追随していた。 この日の夜間取引で、米国市場は大きく下落した。
結果として、SQ値はロールダウンしたポジションも突き抜けてしまった。 (詳細は、12/23の投稿を参照のこと)

今週は、憎き日銀ショックに見舞われたため、損失は仕方が無いと思ったが、SQ値が26,170円97銭で、ロールダウンしたポジション(P 26,250売)まで突き破ってたこともあり、損失が拡大してしまった。(実損失で、-230,166円

まとめと考察

日銀ショックが起こってしまったことは取り敢えずおいておいて、先ずは今週の取引について考察したいと思う。

1. 今週の取引について

  • 最近はまた裸売りから入っている。 相場が乱高下しない限り、この手法の方が利益が上がる確率が高い。裸売りの危険性については、いろいろな人が述べているところだが、ATMとの距離を測りながら仕込み、つどメンテナンスをすれば、ある程度はリクス回避できると思っている。 ただし、今回のような突発的な変動には弱いので、コツコツ・ドカンの傾向は大きい。
  • 一時期、リスク回避のために、常にクレジットスプレッドやデビットスプレッドを組んでいた時期があったが、リスクを軽減できる効果の代わりに、大きくは利益が上げにくい。(Monthlyのオプション取引ならば、そうでも無いのかもしれないが、Weeklyオプション取引の場合は、そう言える。)

    ○ クレジットスプレッドの場合、隣り合う権利行使価格でのオプションプレミアム値差を大きくしたいと考えるが、ATMからの距離を考慮すると、取れる値幅はたったの10~20円程度である。 (ATMに近い権利行使価格であれば、40~50円の値差は見込める)

    ○ デビットスプレッドの場合、隣り合う権利行使価格でのオプションプレミアム値差を小さくしたいと考えるが、そもそも小さい値差のポジションはATMから離れており、デビットスプレッドを組んだポジションまでATMが動くことは稀で、ほとんどのケースは組んだポジションがそのまま損失になるケースが多いと感じる。
  • 今週の場合は、もしかすると、”日経平均は大きく動かず、様子見をしている間にオプションプレミアムが減衰して利益が取れない”と思った。 (2022年12月限月がそのパターンだった。)
    そこで、月曜日(12/19)に、ATMに近づけつつも、損失リスクを限定するために、デビットスプレッドを組んでみた。 結果的に損失となったものの、リスクヘッジという観点からは正しい選択だったと思う。
  • 水曜日(12/21)に、損失を圧縮しつつ、リクス回避をするために、ATMから離れたポジションに取り直す、ということを考えた。
    ATMに近かった「P 26,250売」をロールダウンしつつ、遠目に仕込んでいた「P 25,875売」をロールアップすることで、ロールダウンによる損失を相殺しつつ、「P 26,250売」をATMから離す、という戦略だ。 しかし、集約しようと思っていた権利行使価格のオプションプレミアムが減価してしまい、魅力的ではなくなってしまった。 損失圧縮のみをたっせいするため、「P 26,250売」をロールダウンを諦めた格好となった。これが結果として更なる損失を生んでしまった。

裸売りとスプレッドのバランスをとりつつ、リスク管理はしていかなくてはならないと強く感じる。

そして、今回の日銀ショックに対する私見。

2. 日銀ショックについて

異次元金融緩和は、いつか止めなければならない事なので、この様な発表をすること自体は仕方がない。 しかし、欧米諸国が金融緩和の出口に向かって手探りの金融引き締めを行っているこのタイミングで、この様な発表をする必要があったのだろうか?と思う。 しかも、FRBの様に情報を小出しにして金融市場に織り込ませるという手法を取らず、サプライズ的に発表するという手法もいかがなものかと思う。

実際に物価も人件費(給与)も上がっている欧米であれば、インフレ抑制は喫緊の課題ではあるので、金利上昇による景気のブレーキが必要なことはよく分かる。 しかし、収入も横ばいで物価高にあえぐ日本において、(本当に出来るかどうかは別として)国民の収入を増やそう試みている最中に、日本経済を冷やしてどうするのか。 一部では、黒田総裁の任期も来年に迫っている中の今回の発表だとも言われている。 もしそうだとすれば、一個人の事情(もしくは日銀の事情)で、経済を揺り動かされるのはいかがなものか。

今回日銀の方向転換と表明時期が、最終的に正しかったか間違っていたかは知る由もない。 検討に検討を重ねた上での判断であれば、結果がどうであろうと仕方がないと思う。 ただ、今回の件については、人為的な要素がふんだんに含まれている様に思うので、腹立たしい限りである。
特にFXをやっている人々には、巨額の損失を被った人もいると思われる。 黒田さんが今回損失を被った人々への尻拭いもして欲しいぐらいだ。

とは言え、今回の日銀ショックで、大きな利益をあげた人もいると思う。 損失を被ったから上記のような不満をタラタラ言うのであって、その逆であれば、「黒田さんありがとう!」と言っていたかもしれない。 つまりは、投資は自己責任ということだ。

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