2022年11月第1週限月の振り返り ~FOMCを乗り切ったと考えて良いのか?~

振り返り

今週は11/3 木曜日が祭日だったため、Weeklyオプション取引では

  • 11/2 水曜日: 取引最終日
  • 11/3 木曜日: 祭日(何もできない1日)
  • 11/4 金曜日: Weekly SQ日

という変わった週であった。
 それに加えて、今週が特殊だという点は、祭日の未明にFOMC発表という重要な経済イベントが有ったということ。 市場が平穏な時であれば、それほど心配することは無いが、今はインフレ抑制のために金融引締を行い、経済を冷やしている所なので、このFOMC発表によって日経225を含む指数が大きく振れる。

本来ならば、この様な不確実性の高い週は早期にポジションを手仕舞って、SQまで持ち越さないのがリスク管理としては正しいのだと思うが、その流れに反して持ち越す決断をした。

先週の行動を振り返ってみたいと思う。

10/31 月曜日 ~戦略を考える~

先ずは、今週の戦略として以下のように考えた。

  • FOMCを控え、日経平均(米国市場も含む)はレンジで揉み合うのではないかと思われる。
  • となれば、少し狭めのショートストラングルを組んで、タイムディケイを活用し、取引終了間際で手仕舞う、のが有効か。

 1000円以上離れた「プット売」を仕込もうかと思い、指値をしていたが、日経平均が上昇傾向にあり、引っかからず。 最終的に、

 22-11 1W P 26,625 45円 1枚

を仕込むだけで終わってしまった。

本来の戦略を考えると、月曜日の内にコール売、プット売の両方を仕込んで、水曜日までのタイムディケイ(時間価値減少)を狙わなくてはならなかったのだが、最初で少しつまずいた。

11/1 火曜日 ~戦略を反故にする~

月曜日の夜間取引で、念願のコール売を仕込むことができた。
火曜日の値動きで、今週は、28,250円までは来る可能性があるかな?と思い始めたため、月曜日に自分で決めた戦略を、早々に崩してしまう。

指値をして、「コール売」ポジションを仕込んだ。
 22-11 1W C 28,125売 37円 1枚

ところが、日経平均が順調に上昇するのを見て、不安に感じてしまい、「コール買」を入れてしまう。 

 22-11 1W C 28,000買 77円 1枚

そして、「コール買」ポジションによる利益減少の補填と、上昇した時の利益最大化のため、コール・レシオ・スプレッドを組むことにした。 上がっても28,250円までと読んでいたので、

 22-11 1W C 28,250売 25円 2枚

を仕込んだ。

この時の損益カーブは以下の通り。

11/2 水曜日 ~取引最終日~

ここで、日経平均が少し下がってくれることを望んでいた。
この時日経平均は、27,600円台。 この状態で、FOMC発表が好感された場合、28,000円を抜く可能性が大きくなる。 SQ日まで後2日あるので、好感が好感を呼んだ場合、思いもよらず28,250円も超えていくのではないか?と考えるようになった。

昨日仕込んだレシオ・コール・スプレッドでは、28,300円付近が損益分岐点で、それを超えると加速度的に損失が増えることとなる。 この「28,300円」は、後2日もあれば、プラス要因が重なった場合、到達することもあり得るのではないかと思い始めた。 そこで、

 22-11 1W C 28,125売 37円 1枚
→ 31円で利確(+6000円の利益)

として、ポジションを手仕舞う決断をした。
そして、レシオ・コール・スプレッドが外れたときにも利益が底上げできるように、

 22-11 1W C 26,750売 10円 2枚

を仕込んだ。

その結果、損益カーブが以下のようになった。

これで、28,500円超までは利益となる形になったので、コール側のポジションはそのまま放置して、SQまで持ち込んだとしても大丈夫だろうと考えた。

また、プット側のポジションを選ぶ際に、27,000円、26,875円、26,750円のどれにするか迷ったが、ともかくFOMCを甘く見てはいけないと思い、この中でリスクの低い「P 26,750円売」を選んで仕込むことにした。 そして、それ以上のポジションは手仕舞わずに、そのままSQまで持ち越すこととした。

11/3 木曜日 ~祭日~

もう11月第1週限月のポジションに対して、何もすることは無く、後は祈るしか無いのだが、FOMCの結果だけは気になったので、チラチラと相場を見ていた。

FOMCの結果発表で上昇に転じた米国指標&日経先物・CFDも、その後のパウエル議長の会見内容で嫌気し、下落に転じることとなる。 米国指標は大幅下落したものの、日経先物・CFDは27,300円台で踏みとどまった。 一瞬27,100円台を割る場面も会ったが、27,200円台をうろつきながら、最終的には翌日を迎える結果となった。

考察と対策

先週(10月第4週限月)は、大きな利益(+241,000円)を上げることができたが、今週はそれに比べると薄利(+44,000円)で終わった。
先週も、今週も日経平均の変動幅は約600円程度。 変動幅はほぼ一緒なのに、何故結果で差が出ているのか、考察してみた。

ここについては、2つのポイントがあると思う。

  1. それぞれのポジションの価格(オプションプレミアム)に差がある。(10月第4週限月の価格の方が断然高い)
  2. ATMが迫ってきたときに、手仕舞いまたは保険(買いオプション)を仕込んでいるかいないか?

ポジションのグラフを並べてみると以下の通りである。

10月第4週限月のオプションプレミアムが高い理由は2つある。

  1. 一番外側の売りポジション(「C 28,000売」と「P 26,125売」)は、前週に仕込んでいたため価格が高くなっている。
  2. 売建玉を仕込むときに、ATMに少し近い距離で仕込んでいる。

ただ、11月第1週限月は、木曜祭日で取引期間が変則的だったことと、取引終了後にFOMC発表が有ったこともあり、慎重な仕込みにならざるを得なかった。 そう考えると、個々の判断にもう少し検討の余地は有ったかもしれないが、概ね悪くなかったのではないかと思う。

検討の余地があったとすれば、プット側でもレシオ・プット・スプレッドを組んでおくことかと思う。 一度は「P 27,375買」を起点とするレシオ・プット・スプレッドを考えたが、空白の1日(11/3)があることで、リスクが高いと感じ、取りやめた。

最善の結果ではなかったかもしれないが、今週の采配でFOMCはきちんと乗り切った、と言えるのではないかと思う。

来週も、色々と重要なマーケットイベントがあり目が離せない。 慎重に進めなければ。

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